八田逸山 赤絵金彩牡丹図三本足鉢

作品の解説

頭を下にして枝にとまる一羽の鳥が咲き誇る大輪の牡丹を見下ろしているといった”静と動”を感じさせる鉢(浅いですが)です。基調の色は赤であり、ところどころ金彩され、石目打ち、金襴手などの技法を用いて彩られています。鉢は三本足でしっかりと立っています。

サイズ 径約24cm 高さ約6~6.5cm

見込みの図案をよく見ると、“富貴”とか“王者の風格”といった意味がこめられた、大輪の牡丹の花は赤絵で描かれ、咲き誇る牡丹が上向きに伸びている一方で、下向きに枝にとまった雀らしき一羽の鳥が中央において”静と動”が対比されています。

構図的には多くの明治九谷に取り入れられた花鳥図です。この鉢では牡丹に付きものの孔雀、鳳凰などを取り入れずに、動き回る小鳥を中央に置いたところも独自のデザインが見られます。

興味のあることはこの鉢の三本足です。三本足の器は仏具の香炉などに見られ、明治九谷の中でも装飾性を持たせるために香炉、花瓶などに唐子や獣をあしらった足を付けたものが見られますが、このような鉢では大変珍しいと思われます。

少し高い高台にせずに、象の頭をあしらった足にしたのは、テーブルの中央に置かれるギャラリートレイとかフルーツボウルとして目立たせるために工夫されたと思われます。

裏にも鮮やかな花が描かれています。足とは少し違和感がありますが、三様の花の姿が表の繊細さに比べやや太い線でしっかりと描かれています。

この鉢は同じくらいの大きさの鉢に比べ、厚く重いです。鉢自体に重厚さと豪華さを持たせるためであったと思います。

丸い高台を付けなかったため、中央を少し凹ませ、そこに「九谷/逸山」と銘が入っています。明治中頃になると、陶器商人の銘、原産地を表す「大日本九谷」、「九谷(製)」などが通用し、名工の銘を書き入れることが少なくなる中、はっきりとした署名となっています。

作品の制作者

八田逸山(孫一郎)  生年?没年?

八田逸山は、陶画を笹田友山に学び、自分の門人に石野竜山がいたことから、生没年など不明ですが、明治中期に活躍したと考えられます。

海外で活躍し有名となった陶器商人 円中孫二綿野吉二などの依頼で着画した作品もあるので、明治九谷の名工の一人であったといえます。

特技に九谷細字があったといわれますが、赤絵や金襴手などの作品を多く目にします。

管理№ 191031119A
展示開始年月日 2020.4.4
売却 検討中
備考