作品の解説
黒と金で竹の図案を描いているだけですが、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
金を使う名手であった清水美山らしく、金ぼかし、繊細緻密な盛金などの技法を器の内側と外側で使い分けているところはさすが作品です。
”持ち手付”を付けているこうした作品は、別の同じ形の器を見ても、欧米でイヤリングやネクタイピン、あるいはキャンディを入れるための小物入れ(欧米ではピンディッシュあるいはバスケットと呼んでいる器)として輸出されたと考えられます。
サイズ 横幅 約11.4cm 高さ 約10.2cm
金でぼかされた地の下から見える黒の輪郭線によって、すっと伸びた竹を描いています。絵画の題材にもなった業平竹がここでは墨絵の竹を思い浮かべさせます。
一方で、金彩の盛り上げて内側にも竹が描かれています。この華やかな盛金のようにも見える竹は外側の竹とみごとに対比していて、どちらも目を見張る美しさがあります。
この小さな器には持ち手がついていますが、その持ち手は楕円形の器の両側からアーチ状に伸びていて、持ち手には細かな文様がほどこされています。
器の部分は分厚いのですが、高台は薄くやや小さく造られています。
銘は「九谷/美山」と小さく書き込まれています。美山の銘はほとんどこの書き方であり、他には「清水美山堂」「鏑木製/美山画」などがあります。
作品の制作者
作品の制作者につきましては、「清水美山の所蔵品と陶歴」を見てください。
管理№ | 200226211B |
展示開始年月日 | 2020.4.17 |
売却 | 検討中 |
備考 |