亀多山月 赤絵金彩松下人物図鉢

作品の解説

如意頭文の枠に囲まれた見込みには貴人が松の下で遠望しているところを白い素地の上に多彩な絵の具を使って描かれています。その周囲には手の込んだ雅な文様が描かれ、外側の面にも日本画を思わせる筆遣いで“竹に雀”と“牡丹の花”が描かれています。明治期の日本画を意識したような色絵の絵付けが感じられます。

こうした画風は、亀多山月が、明治21年(1888)、44歳のときに、荒川探令(「亀多山月の所蔵品と陶歴」を参照)らから修得した日本画風の画法をもとに築いたと思われます。

サイズ 幅約17.9cm 高さ約7.2cm

状態 全体に良い状態 畳付きに汚れあり

赤絵や金襴手が主流である明治九谷とは少し異なるものを感じられるのは白い素地の上に多くの絵の具を使って絵や文様を描いていることです。そして、色調が濃厚でなく表現が簡潔であることです。

鮮やかな色彩、ぼかしを使ったような奥行きのある表現、そして何よりもこの作品の画題ともいえる“松”を中央に置いて、狩野派が描き続けてきた障壁画の松を連想させるような表現に思えてきます。

内側の面には優雅さの漂う文様が描かれています。折り返した短冊を幾重にも繋げていきなから一つの文様に見せるようにしています。これまでの山月の赤絵金彩になかった、明るい色調で描かれています。

また、外側の面には日本画のような筆致で日本画の画題でもある“竹に雀”と“牡丹の花”が描かれています。

裏銘は「加賀九谷/亀多画」です。ただ、「加賀」を書き入れていますが、この作品が輸出九谷ではなく、産地を示したかったと思われます。亀多の銘にはほかに「大日本九谷製/山月堂」「九谷造/山月」などがあります

作品の制作者

作品の制作者につきましては、「亀田山月の所蔵品と陶歴」を検索してください。

管理№ 19081607
展示開始年月日 2020.5.28
売却 検討中
備考